嬰ヘ長調

唐突ですが、♯が6つの嬰ヘ長調って何か特別な調なのでしょうか。何気に弾きたくなってリストの『詩的で宗教的な調べ』の第3曲『孤独の中の神の祝福』を触っていたんですが(この曲は♯が6つ付く嬰ヘ長調です)、弾きながらふと、そういえばメシアンの『幼子イエスにそそぐ20の眼差し』の数曲が嬰ヘ長調だと思い出しました。宗教的な意味合いなどあるのでしょうか。確かに、嬰ヘ長調の作品に触れてみると、自分の手の届かない場所にあるような感覚というか憧れの気持ちを想起させるというか、不思議な奥行きを感じます。宗教的な曲以外でも例えばショパンの『舟歌』もそうです。それが異名同音調変ト長調(♭が6つの調)になると全然変わります。同じ室内にいる感じというかとても近くにあるという感覚になります。

僕は嬰ヘ長調の方が好きです。

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